NPO法人たからばこの小さな一歩と大きな夢

    

理事長 武田由美

 

 2009年11月よりあわ発達障害児応援団「たからばこ」として活動してまいりましたが、この度千葉県知事よりNPO法人設立認証を受け、2013年3月12日に法人登記をし、NPO法人たからばこが誕生いたしました。3月末まではあわ発達障害児応援団「たからばこ」としての活動を継続し、4月1日に全ての会員と資産をNPO法人たからばこに移行し、NPO法人としての活動を開始しました。ここにいたるまでの皆様のご尽力に心から感謝致します。

 

 今後は責任ある法人として、「発達障害児・者等支援を必要とする人々が自分らしく伸びやかに生きられる地域社会ひいては全ての人が生きやすい豊かで彩り鮮やかな社会を創造する」という目的に向けて微力を尽くしていきたいと思っております。目指す社会の具体的なイメージは、親亡き後も障がい者が個人として尊重され、自分の役割を果たし、生き生きと暮らせる社会であり、我が子の障がいに気づいたときに親が嘆く必要のない社会です。チャレンジドの呼び名のとおり、大きな挑戦を与えられた障がい者が誰からも敬意を持って受け入れられる社会、発達障害といえば何人もの有名、無名の人の顔が浮かび、それらの人たちが活躍している様子を誰もが知っている社会、知的障害のあるなしに関わらず発達障害を公表することは当たり前で、周囲もその特性を知り、その子(人)は何が得意で何が苦手なのかしらと温かく見守る社会、発達障害だけではなく、全ての障がい、民族、性別、年齢、性的指向、信仰する宗教、職業、財産の寡多などによって差別を受けることのない社会、誰もが自分や我が子、そして隣人をあるがままに受け入れ愛せるような社会です。たからばこのような歩み始めたばかりの小さな小さな法人が抱くのには大それた目標かもしれません。それでも1ミリでも前に社会を動かし、嘆きを歓びに変えていきたいのです。

 

 今まで任意団体として3年半活動を続けてきた中で、入会当初嘆きの渦中にあった方が、たからばこで同じ母親の仲間と専門職の理解者を得て、うつむいた視線をだんだんに上に向け、自分と同じ悩みを持つ人たちの力になりたいと今度は自分が支援する側となり目を輝かせ奔走するようになった姿をたくさん見てきました。仲間や理解者の存在は絶大です。悩める方の誰もが孤立せず、何らかの輪の中にあることを願ってやみません。

 たからばこもそんな小さな輪の一つとなり、悩める子ども、大人の居場所を作るところから始めていきたいと思っています。これからもどうぞよろしくお願い致します。

 

(たからLetter NO.1原稿より)